ピアノを弾くと肩こりがつらい…。原因はあなたの知らない習慣?

演奏に活かす Sep 01, 2021

「もっと練習したい!」「弾きたい!」という気持ちを妨げてくる肩こり。
慢性的に肩が凝っている、という方もいれば、普段の生活の中では何も感じないのに、ピアノを弾き始めてしばらくするとなぜか辛くなってきて、練習を長く続けられない、という方もいらっしゃると思います。

 

そんな辛い肩こりの原因は、あなたが知らないうちにあなた自身が行っている、「無意識的な習慣」の中にあるかもしれません。

 

練習してるとつらい…。演奏中の肩こりの原因は?


 
肩こりや痛みなどの不調の原因の一つに、「不必要な緊張」があります。

私たちの体の中にある筋肉は、生活の動きの中で緊張と緩和を繰り返しています。
筋肉の働きのおかげで、私たちは自由に動いたり、姿勢を維持したりすることができるのですね。

しかし、現代を生きる私たちの多くが、間違った体の使い方で、筋肉を必要以上に緊張させています。

私たちが「なんか肩凝ってるな…。」「なんだか首がしんどいな」と感じはじめるまでの間に、筋肉は知らず知らずのうちに緊張し続け、どんどん負担をため込んでいるのです。

この気づかない間にたまりにたまった負担が、肩こりや体の痛みの主な原因です。

 

ところで皆さんは、自分がピアノを演奏している時、どこから動き始めて、どこに力が入っているか、考えたことはありますか?

多くの方が、長い間ピアノを弾いてこられた経験をもとに、「次は右手を鍵盤の上に置く」などとひとつひとつ考えずに演奏していると思います。

しかし、あなたが演奏中の肩こりに悩んでいるなら、長年続けてきたピアノの弾き方や、弾く時の姿勢の中に、あなたの肩こりの原因が隠れているはずです。

自分がピアノを弾くときどこから動いているのか、どこの筋が伸びていて、どこの筋が緩んでいるのか、観察する必要がありそうですよね。

 

今、頭ってどこにありますか?

突然ですが、みなさんはご自身の「頭の重さ」を知っていますか?

考えたこともなかったという方がほとんどなのではないでしょうか。

頭は大体、5~6キロほどの重さ。

私たちは、いくつもの骨が積み重なった背骨の上に、スイカ1玉分くらいの重さのものを乗せて生活しています。

また、骨の上に乗っている頭は、やじろべえのように頭だけでバランスをとっているのではありません。

電車で居眠りしている人のことを思い出してみてください。

ほとんどの方が、下を向いて、頭が胸のあたりまで下がってきていませんか?

これは頭を支えている支点が、頭の真下より後ろにある証拠。

 

寝ているときは「前を向く」という指令が脳から出ていないので、重力に従って前に下に頭が落ちていきます。

起きている間ずっと、5キロの玉のバランスを維持してくれているのは、支えている骨と、重力に負けて前に落ちていかないように支えてくれている首の後ろの筋です。

キーワードは「首の後ろの筋」!適切に使えていますか?

アレクサンダーが、研究の中で自分自身に見つけた筋緊張の中で一番わかりやすかったのが、この「首の後ろの筋」だったと言います。

そして彼は観察の中で、このことは自分だけでなく、多くの人に当てはまると気づきました。

この「首の後ろの筋」は、人の生活や今までの習慣の中でどうしても「緊張」しがちな筋になってしまっていたのです。

 

人間の頭は支点が後ろにあり、重さの比重が前にあるので、頭から動くことで、前に柔軟に動きやすい体の構造になっています。

頭の重さが、体の動きを先導してくれるんですね。

これに従って頭から動き出そうとするとき、頭を維持するために緊張している首の後ろの筋を開放しなければなりません。

しかし、ほとんどの方が無意識に、頭や体を支えなければならないと、首の後ろの筋肉を緩ませることなく、他の筋肉を多く使って動作をしようとします。

 

本当は、首の後ろの筋を少し開放するだけで必要な筋肉だけを使って動くことができるのに、「力をたくさん使うと動いた」という今までの経験から、習慣的に同じ動かし方をしてしまうのです。

体中の筋はつながっているので、首の後ろの筋肉が過度に緊張していると、他の筋も動きづらくなり、結果的に不必要なエネルギーをたくさん使うことになってしまいます。

これでは、疲れてしまいますし、肩こりや痛みなどの不調が出てくるのも当然ですよね。

あなたの肩こりも原因も、もしかすると「首の後ろの筋」の悲鳴かもしれませんよ。

 

健やかに弾くための第一歩は、習慣に気づくこと!


 
アレクサンダーは、体をよりよく使うために、刺激に対して、習慣的に反応するのをやめることが必要だと語っています。

ここまで、不必要な緊張についてお話してきましたが、自分の身に起きている緊張や、体の誤った使い方に自分だけで気づくことはとても難しいことです。

この記事をお読みの方にとって、ピアノを演奏するということは、生活の中の大切な要素であり、継続的に行ってきたことだと思います。

長く続けていて、一生懸命やってきたからこそ、当たり前になってしまった無意識的な習慣は、それがどれだけあなたの身体を苦しめていても、無意識であるがゆえに気が付きにくいのです。

 

私も長い間、演奏活動をしてきましたが、体の使い方を誤っていることになかなか気づけず、一時期は肩こりや体の痛みがひどく演奏が続けられなったこともありました。

長い間そんな状態だったからか、アレクサンダーテクニークの講師の先生に「首がとても緊張していますね。」と言われても、最初はどういう意味かさっぱり分かりませんでした。

首で支えずに演奏するってどうやってやるんだろう。

必要のない緊張を開放するってどんな感じなんだろう。

頭では理解できていたとしても、習慣的な強い反応に抗うことができなかったのです。

 

そんなとき、アレクサンダーテクニークの先生が教えてくださったあるワークがあります。

それは「すぐにやらないこと」。

例えば、家で読書をしている時に、離れたところに置いていた携帯電話が鳴ったとします。

こんなとき、電話をとるために動き出す前に、数秒待ってから動き出します。

お風呂へ向かう時も、ご飯を食べ終わって動き出すときも、「動こう!」と思った瞬間から数秒間、自分に猶予をあげるイメージで動き始めます。

最初は難しく感じるかもしれませんが、これで習慣的な反応で動き出す前に一瞬でも間を作ることができます。

私は楽器の練習する際、準備してから演奏をスタートさせるまでに数秒待ってみるようにしてみるように言われ、その通りにしばらく続けていると、音が出る直前に、首にぐっと力が入るという癖を実感することができました。

実際には、レッスンの際に指摘されていたので頭ではわかっていたのですが、実際に自分で目の当たりにしたことで、そのあとの「反応をやめる」というプロセスがスムーズにいきはじめたように思います。

 

肩こりや体に不調がでるほどのエネルギーや緊張は、楽器の演奏には必要ありません。
アレクサンダーテクニークは、あなたの「不必要な緊張」はどこに隠れているのかを探すお手伝いをしてくれるはずですよ。

 

まとめ

弾きたい気持ちや焦りが先走ってしまい、辛い肩こりを放置したまま練習を続けることで、弾けなくなってしまうほど悪化してしまったり、どうせつらいからと練習が億劫になってしまったりしてしまうのは悲しいことです。

演奏中や、普段の生活の中で、自分の身体に何が起こっているのかをじっくりと観察して、緊張している場所に気づくことができれば、あなたの辛い不調を解決する近道になります。

まずは、自分の身体が「不必要に緊張」していることを知ることからはじめてみませんか?

 

 「アレクサンダー・テクニーク」は全世界で取り入れられている脱力&緊張解消メソッドです。

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