ボディチャンス・メソッド

姿勢から始める、「ココロとカラダ」のテクニーク

姿勢が変わると、思考が変わる。思考が変わると習慣が変わる。習慣が変わると人生が変わる。

 

会社員・演奏家・ITエンジニア・ヨガインストラクター・医師・学校教師等、様々な職業・パフォーマー延べ1600人以上の方が、このベーシックコースを受講されました。ジャンルは問いません。

 

姿勢・あがり緊張・肩こり・腰痛・演奏パフォーマンスの改善・インストラクタースキルアップ・ストレス対処など。

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姿勢とは

普段何気に使われている言葉「姿勢」。古くは「構え」という言葉も使われてきました。

構えや姿勢は、静止している状態を表している言葉に見えますが 「構え」は次の動作への準備ができている状態。「勢い」は自然の活動力を意味する言葉。つまり姿勢は、自然と自己の活力を引き出せる状態に今あることなのです。語源から考えても姿勢はとても重要なものです。

また、肉体的な意味を超えて、心構えや態度といった心の状態を表した言葉としても使われています。

実は心身に関わる奥深い意味を持っているのです。

不調のサインは姿勢から

普段、悪い姿勢と言われるものはどんな不調のサインのを引き起こすのでしょうか?よく姿勢と関連して言われるものに、肩こり・腰痛・頭痛。

肉体的な痛みとは別に、最近では気の滅入りやストレスの症状も姿勢と関連していると指摘されています。

医療機関では、慢性腰痛の患者に対してBS-POPと呼ばれる「整形外科患者における精神医学的問題を知るための簡易問診票」が用いられ、慢性疼痛には、心理的社会的因子が深く関与しているので、 疼痛患者の診断・治療においては、精神医学的問題を評価する必要があるとされています

悪い姿勢が必ずしも何らかの症状を引き起こすとは言い切れませんが、快適な日常生活を維持するためのリスク要因と言えますね。

正しい姿勢はない

正しい姿勢というと、胸を張り、背筋を伸ばす状態と思いがちですが、実際その状態になると、呼吸が楽でなかったり、疲れたりと持続することは容易ではありません。結果としてもぞもぞ動いたり注意力が散漫になったりと悪影響が現れてきます。いわゆる姿勢の正解というものはないのです。また、肩こりや腰痛は、体の状態を固定する筋肉の緊張から起こります。では、どんな姿勢が良いのでしょうか?

姿勢の定義でもお話したように、「構え」次の動作への準備ができている状態です。すなわち、体がいつでも自由に動ける状態にあることなのです。その時、人は、頭と脊椎が自由に動ける状態になっていることがポイントです。これこそが、あらゆる動作にあった姿勢の基礎なのです。

レッスンでは、姿勢を矯正するというアプローチではなく、本来の自然の姿勢を引き出すことを目的とし、この状態にいたるための、体と思考の使い方を学び、常にこの状態を体現することを目標とします。

姿勢が変わると

姿勢からくる不調は、姿勢が変わることによって自ずと変わることになります。

一般的に良い姿勢・美しい姿勢を保持している方は、健康的に見え、魅力的に見えるのも事実です。

英国の医学専門誌ブリティッシュメディカルジャーナルによると、579名を対象に総計5年をかけてアレクサンダー・テクニークの有効性が調査され、何と86%というこれまでにない非常に高い腰痛解消率が報告され、大変注目されています。さらに詳しい調査の内容は整形外科医の加藤医師の日本語要約を一番下に掲載しております。ぜひお読みください。

また、ハーバード大学のエイミーカディ准教授とカリフォルニア州立大学のダナカーニー准教授の共同研究によると、姿勢が変わると唾液に含まれるストレスホルモンが減り、リーダーシップなど自信に関連するテストステロンが増加するという結果がしめされています。取引先でのプレゼンテーション、演奏会、面接・面談などのあがり緊張にも有効と言えます。

姿勢の変化は、心身に大きな影響を与えることが、最近の研究で明らかにされています。

姿勢はクオリティ・オブ・ライフ(QOL Quality of Life)の根本をなしているのです。

ビジネスパーソン(企業研修の実績)

ボディチャンスが2018年に姿勢革命という複数の大手上場企業向け研修を行った時の変化の概要です。

受講者の82%は体に不調や痛みを抱えている人で、その多くの方たちは、「肩こり腰痛」「姿勢」「メンタルストレス」そして「座り方」の順に関心が高く、実際そのような問題を抱えている人たちでした。痛みや不調を抱えている人の多くが、職場でのストレス・アブセンティーズム(欠勤)・プレゼンティーズム(生産性)の問題を抱えていることがまた多いという事実でした。よって姿勢や痛みの問題が、出勤意欲や生産性に影響を与える大きな関連性があることが実証されています。

5週間で合計7回のレッスンを受講された方がどのように変化したかをみてみると、主要な痛みである「腰痛」、「肩こり」は大きな改善効果がみられました。特質すべきは、「痛みはない」・「あまり痛くない」が、受講開始前に対比して約2 倍以上の人数に増えたことです。それと同時に人間関係とコミュニケーションに関するストレスは大きく改善しました。ストレスを感じる人が減少し、あまり感じない人が1.7倍と大きく増加しました。

姿勢改善というステップは、肩こり腰痛に限らず職場でのストレスなどの精神面にも影響を与えていることが企業研修の結果でも見えてきています。

習慣が作る見えない壁

習慣は、時に「見えない壁」を作り、あなたの可能性を閉ざしているのかもしれない。自分の気づかない「見えない習慣」が、痛みの原因であったり、パフォーマンスの阻害要因であったりするのです。

プロコースを基礎とした

アクティビティレッスン

ボディシンキング・アプローチ

アレクサンダー・テクニークの考え方にもとづきながら、体の構造と動きについて学びます。単なる解剖学の知識だけでなく、それを自分自身の体にあてはめることに重点を置きます。

多くの人が真実の構造を知らずに、自分なりのあいまいなイメージで体を使ってしまいます。これにより、自由な動きが抑制されたり、体に無理な負担がかかり、時には体の痛みとなって表れたりします。それを正しいものに修正することで、自らの体の動きも楽になることができます。

シンキングボディ・アプローチ

「考え」や「意識」が体の動きにどのように影響するかを学びます。そして、アレクサンダー・テクニークを用いた自分自身の意識の仕方 ー F.M.アレクサンダーのいう「建設的で意識的なコントロール」、「ミーンズウェアバイ(目的に至る手段)」を身につけていきます。

ハンズオンワーク・アプローチ

「ハンズオン ワーク」と呼ばれる指導法は、、4年以上の教師養成課程を卒業した教師が生徒に触れながら行うレッスンです。
気づきや身体バランスの変化を、体の反応を見ながら動きをサポートしていくことです。これによって、自身に気づきを促し、より良い動きへと促します。また、マッサージや矯正器具といった外部からの刺激を与えることではないので、穏やかに持続性のある体の使い方を実践を通して身につきます。

 

レッスンを通して、①体全体が協調して働くために頭と脊椎の関係「プライマリーコントロール」を理解し、②自分に益をもたらさない無意識の悪い癖や習慣を抑制する「インヒビション」、③自分自身に建設的なプロセスを明示し動きをより有益にするための「ディレクション」を経験していきます。

 

姿勢が変わると、肉体的な緊張を解きほどき、心の姿勢も変わる。自分への気づき、感じ方、意識の向け方により、思考パータンに変化を及ぼし、現状に対する認識、変化に対処する心構え、実現への意識の向け方が変わる。結果として、今までの自分の殻(思考パターンと行動)を破り、新しい結果への道筋を作っていける基礎となります。


姿勢という身近な変化の過程で、新しい「わたしの使い方(ココロとカラダ)」を身に着け、より大きな変化への一歩となっていきます。

 

YTさん

呼吸・立つ・座る・見る・発声・(わたしが持っていた)電車への恐怖です。初めた当初は、全く意識したことのなかった脊椎と頭蓋骨のコーディネーションに戸惑いましたが、気がつくと日常生活の中で自然に意識している自分がいることに驚くようになりました。

毎回人生を変える程の気づきを得ました。自分の身体や人生の「クセ」を知り、どう生きていくかを「選べる」という自由さに、喜びと、そして戸惑いと怖さも感じつつ、「その過程を楽しんでいこう!」と、自然と思えている自分がおります。

KIさん

自分はサックスとフルートを大人になってから趣味として始めました。習うにつれだんだんと演奏できる曲が増えていきましたが、次第に自分のサックスの音に不満を持つようになりました。具体的にいうと音が薄っぺらい感じでした。音程が悪いわけでもなく、音量も出ていたので吹き方に大きな欠陥はないと思っていましたが、何が悪いのか分からず悶々としていました。 

 

最初のレッスンで頭と脊椎の関係性について学びました。まず、これで音が変わりました。今思えば首に力が入っていたことが悪影響を及ぼしていたのかもしれません。あと目標の音の厚さは、腹筋の考え方を変えるプランを提示してもらい、同席されていた方にも響きが増えたといわれ無事解決しました。正確には欲が出てほかに使える体の部分がないか考え中です。 

 

仕事がデスクワークなので、目の疲れと首肩腰の疲れは職業病でここ数年悩んでいました。首の根元をリリースすることは、首肩の疲れ・コリにも効果があり、仕事中に時々ほぐすようにしてからはかなり軽減しました。 

MSさん

毎回、様々な方法で力の抜き方や体の使い方の比較などを行い、意識(脳)がいかに身体に影響を及ぼすかを実感しました。


それと同時に、自らの生き方~心の面~でも意識・体と密接につながっていることを再認識ました。自分が力んでいれば、それが体を委縮させ、その固さが相手にも伝わる。逆に、自分の身体がふわっと軽く優しい状態であれば、それが自らの心を軽くし相手にも伝わる。


完璧な身体を上手に使いこなすことができれば、メンタルな部分にもつながり、より楽に心も軽く日々の生活を送ることができる。そして、生活の上で切っても切れない人間関係の部分にもそれが影響していくのだと思いました。

 
身体のためにと思って受講したアレクサンダー・テクニークのレッスンでしたが、身体だけでなく、心、生き方にも有効なレッスンだと思い、とても得をした気分になっています。

よくあるご質問

アレクサンダー・テクニークからの学び

昭和大学名誉教授(脳神経外科)
BodyChance 医学顧問

藤本 司

 

「脳(身体)と心」の理解を進めて行きたい

昭和大学を2年半前に定年退職した直後からアレクサンダー・テクニークと出会えたのは幸運でした。脳神経外科医として手術を中心に患者さんと向き合う多忙な毎日の中、定年退職後、時間的に余裕が出来たらじっくり取り組んで行きたいと考えていたことがあります。その一つは、患者さんを、病気のみではなく、身も心も含めた全体、すなわち病人を診るように心がけてきましたが、十分納得のいくものではなかったので、それができるように「脳(身体)と心」の理解をさらに進めて行きたいということ。もう一つは、脳神経外科には、頭痛が強くて脳腫瘍や脳卒中を心配した患者さんが多数こられますが、手術をしなければならないような人はそのごく一部であり、多くの患者さんは項を中心に後頭部から背中にかけて筋緊張が亢進している人達でした。この緊張は、精神的な緊張や身体の姿勢や使い方によるものであり、この緊張をとるにはどうしたらよいかを明らかにしたいということでした。

 

人間全体を対象とし、身体の中に存在している能力を引き出す

アレクサンダー・テクニークと出会い、その目指している方向が、「人間全体を対象とし、身体の中に存在している能力を引き出して、身体をより機能的にすること」だと感じ、自分が目指している方向と一致していると直感しました。BodyChance 主幹の Jeremyさんが理解を示して下さり、いろいろなレッスンに自由に参加させていただく機会を得、学びを深めていくと同時に、医学顧問としてお手伝いもしてきました。アレクサンダー・テクニークに来ている人達は、それぞれ問題意識を持ちながら、それを乗り越えていく道を求めている求道者のような人が多いことも魅力的でした。

わたくし自身も、自分の姿勢や動き方を大分意識するようになり、ヒトの姿勢や動きを意識して見るようになっているのに気付きます。患者さんを診察する場合も、心と身体の関係の理解や、姿勢・動きと症状との関係をみる見方が大分変わってきているのに気付きます。またしばしば、友人、知人からアレクサンダー・テクニークについて聞かれたりしますが、その魅力を実感を伴って話せるようになってきています。

 

アレクサンダー・テクニークは1890年代にオーストラリアの俳優フレデリック・アレクサンダーによって開発された方法で、普段意識せずに行っていた姿勢や動き方などを、意識下で心身の調整を行い、自然な姿勢、自由な動作を実現させる方法だと理解しています。彼は舞台に立つと声がかすれてしまう体験を繰り返していましたが、なかなか当時の病院では治療してもらえず、自ら解決しようと自らを観察しはじめ、長い試行錯誤が行われました。そして舞台の上で声を出そうとする時に首の筋肉が緊張してしまい、頭が後ろに反り返り、喉が締め付けられて呼吸を妨げていることに気づきました。彼は自分の癖になっていたことを治す方法をやはり試行錯誤して身につけ、声が良く出るようになり、さらに全体的な心身の健康も向上しました。

彼は、厳しい状況やストレスがかかる状態で現れがちな、習慣になってしまった姿勢の癖や反応がパフォーマンスを完全にはさせにくくしているし、さらには全体的な心身の健康にも有害に働くと考えました。すなわち「心のあり方と身体がお互いに強く関係しあっている」ことを認めました。そしてこの長年身に付いた筋肉の緊張と身体の誤った使い方を改めるには感情に動かされてしまわずに、意識的に動作をコントロールして行くことであると気付きました。ここでいう意識とは、「自分が動いたり、話したり、感じたりしていることに気付いている」ということです。実際に、アレクサンダー・テクニークはパフォーマンスを向上させるということが認められ、俳優、音楽家、ダンサー、運動選手らに広く利用されており、また痛みや筋骨格系の異常、あるいはストレスに伴う症状の管理に役立つということも認められてきています。

 

生活の中の動作中に頭・首・背中の「バランスが取れた関係」を維持する。

アレクサンダーテクニークでは生活の中の動作中に頭・首・背中の「バランスが取れた関係」を維持し、頭の動きがリードするということが中核になっています。身体の他の部分の動きがこれについていくということで、非常に重視され、プライマリーコントロールと言われています。子供の頃は自然に出来ていた身のこなしや筋肉間の協調も、大人になるに従い悪い姿勢の習慣や反復的な動作、積もったストレスによって妨げられ、本来の姿では出来なくなってきます。ストレス、恐怖に出あった時、首をすくめるのは自然の反応です。これは身を守るために生体が獲得し、備わっている反射的なものと言えます。これが強く出すぎてしまうこと、一時的でなく長く持続してしまうことが問題で、障害が生じてくるのです。

ヒトでは前頭葉が非常に発達し、もともと備わっている本能に従うより、新たに出来あがってきた慾望(認められたい、勝ちたい、金持ちになりたい、生きがいの追求、などなど)によって行動することが多くなりました。その結果、身体からの指示がわからなくなり、結果的には無理が蓄積しがちになります。心身ともに緊張が亢進し、筋肉の緊張が習慣的になると頭・首・背中の関係のバランスが崩れ、猫背や背中が反るなどの問題が生じてきます。この習慣が定着してくると、悪い姿勢が全身の機能にまで影響するようになります。

アレクサンダー・テクニークでは姿勢と動き方を意識的にコントロールし、徐々に本来の機能がでてくるようにしていますが、患者さんの診察時には頸椎のレントゲン写真などを見せながら、現在の状態に関する理解を深めていただくようにし、姿勢、動き方の話に加え、肩、首、腰のストレッチをすすめています。それを行う為にかえって新たな緊張を生み出さないように注意すればとても効果的です。筋肉の血液循環が改善し、変化を早く自覚出来、持続しやすくなるからです。頭・首・脊椎のバランスが取れた関係を生みだすために、頭頂部(頭頂部で上外側へ突出しているあたり)を上方に引かれる感じをもつと、押し上げる感じなしに、力みなくバランス良く項を伸ばすことができます。

 

ヒトの体は、何かを意識したり、思ったりするとそれが身体の緊張、すなわち動きに直接連動して動きます。それで身体の構造や動きをどのようにイメージするかが動きに大きく影響してきます。身体の構造や動きをどうイメージしているか、これは頭の中に描いたもので、ボデイマッピングと呼んでいますが、これが、身体の構造や、本来の動きにマッチしたものでないと、実際の動きと、本来の機能・動きとの間に食い違いが生じ、異常な緊張を生みだしたり、無理がかかってきます。たとえば、腕を動かす場合に、肩関節で動かしていると思うと肩関節部を固定する緊張が生じ、腕の動きも不十分でスムースではなくなります。腕がついた肩甲骨が動き、一体になって腕が動いているというイメージを持って行う場合とでは動きや緊張に大きな差が生じてきます。これは生体に備わっている動きを最大限に、目的に沿った動きを行うために大切なことです。アレクサンダー・テクニークの先達たちが、「これが最も身体にあった姿勢や動きだ」ということをいろいろ述べておりますが、まだまだ全部の動きをカバーするものではありません。何が本来の適切なボデイマップなのかは行って見て、緊張感がとれ、動きがスムースで疲れもしにくいということで判断して行かざるを得ないと思います。動物の姿勢や動きには、本能的な見事な姿勢や動きが保たれていて、しばしば驚嘆させられ、大変参考になりますが、やはり「ヒトではどうか」と言う事を常に考えていく必要があります。爬虫類以前にさかのぼっての歴史がヒトの体に引き継がれていると考えられますが、長い年月をかけて環境に適用するように、すなわち生存して行けるように変わり、それが遺伝情報に組み込まれ、さらに固定されてきました。そして動物とは大分変わってきています(頭蓋骨と脊椎の関係でも、ヒトとチンパンジーですら大分違います)そして、環境の変化のスピードはすさまじいもので体の変化が追いついていけてない面があります。心身をもったヒトをさらに良く知ることで対処の仕方もより適切になっていくのだろうと思います。

 

アレクサンダー・テクニークは心のコントロールにも役立つ

アレクサンダー・テクニークは心のコントロールにも大いに役立つと感じています。身体の緊張がとれて心が安定したために、意欲が戻ってくると言う事も大いにありますが、直接的に、心の動揺や悩みを乗り越えていくのにも役立ちます。私たちは常に多くのストレス下に生活しており悩みはつきません。この悩みには、準備してきたパフォーマンスが、直前になり頭が真っ白になって動けなくなってしまうようなものから、仕事のこと、生活のこと、対人関係の悩み、病気に関する悩みと途切れることなく続きます。悩みがある時には、それに関係した過去のこと、これから先のことなどが、しかも感情を伴って押し寄せてきて、ますます不安や悩みは大きくなってきてしまうことは良く経験することです。

ヒトは本能に従ったままで生きているのではなく、脳の発達による、新たな慾望や望みをみたそうと自分を叱咤激励して生きていると言えるでしょう。意識が持てて(先に述べたような意味ですが、これはヒトだけです)、記憶することが出来、未来像を描けるようになり、驚異的な文化活動をするようになりましたが、身体に備わっている本能的な事に鈍感になってきてもいます。より良く生きるのに、過去や未来のことを考えられると言う事はすばらしいことなのですが、これが感情を伴って大きくなりすぎたり、いつまでも引きずっていてそれに捕らわれていると、悩みは膨れ上がります。過去や未来のことは、役立つ範囲で使い、あとは手放して現在を生きていくようにすると、大きく膨らんだ悩みは大分小さくなります。そして、問題を受け止め、新たな方向を見つけだし、意識してその方向への歩みを続けることにより、乗り越えて行けるようになります。この新たな方向を見つける時には、「必ず見つかる」という事、そして「自分は守られているのだ」という信念を持って向う事が大事です。アレクサンダーテクニークには心理学的にうなづけることが多数生かされています。

 

今はこのような事を考えたり、感じたりしており、アレクサンダーが見出したことをもっとよく知りたいとも思っています。アレクサンダーが目指していてなお実現しきれなかったことを今後もBodyChanceが中心になってさらに明らかにし、実現されていかれることだろうと期待が膨らみます。

英国医学雑誌に掲載された調査結果(2008年8月)



2008年8月19日付けで、British Medical Journalという英国の医学雑誌で、 「アレクサンダー・テクニークは慢性的な腰痛に長期的な効果がある」とする調査結果が発表されました。

以下に概要を示します。また、整形外科医の加藤良一先生の解説もあります。

 
調査結果の概要

579人の慢性的な腰痛患者に対して、(1)通常の医療、(2)マッサージ、(3)アレクサンダー・ テクニークの6回レッスン、(4)アレクサンダー・テクニークの24回レッスンの4つの処方 に分けて、それぞれの効果を3ヶ月後、12ヶ月後に検証。

効果を計る基準は、患者への症状に対するアンケート調査で、腰痛によりどの程度 生活・仕事で制約があったかを計るRoland Disability Scoreと呼ばれるものや、直近 1ヶ月間の腰痛のあった日数など、複数の結果を計測。

この結果、12ヶ月後では、アレクサンダー・テクニークのレッスンを受けた人の方が、 通常の医療やマッサージよりも改善したという結果が得られました。

※なお、(1)(2)(3)(4)のそれぞれのグループの半分の人が「看護士が推奨するエクササイズ」 を処方され、エクササイズとの組み合わせの効果も検証しています。6回ATレッスン+ エクササイズは、24回レッスンと同等レベルの効果があったとされています。

 
調査の主体

イギリスの政府機関であるNHS(National Health Service)とMRC(Medical Research Council) の予算で調査が実施され、イギリスのサウサンプトン大学・医療科学学部プライマリーケア 学科教授のポール・リトルらにより実施されました。 実際のサンプリング対象となる患者は 2002年から2年間にわたって集められました。

論文URL: http://www.bmj.com/cgi/content/full/337/aug19_2/a884

 

整形外科医 加藤良一先生による調査結果解説とコメント

慢性の腰痛にアレクサンダーテクニークが効果的
〜整形外科医からみたアレクサンダーテクニーク〜

整形外科医
加藤良一先生



私は整形外科専門医で 1994年から岐阜県可児市で開業しています。 趣味でフルートを吹いていますが、その関係から5年ほど前にアレクサンダーテクニークを知りました。レッスンを1回受け、整形外科の仕事の面からも興味を持ち、アレクサンダーテクニークの日本での出版物は全て読んできました。その後数回レッスンの聴講もしました。アレクサンダーテクニークは、初めは、よくある怪しげなものかと思いましたが、科学的、医学的に正しいものと判断し、現在まで整形外科診療に応用してきました。

私は、アレクサンダーテクニークは身体の使い方の指導、教育、訓練だと理解しています。合理的な体の使い方、姿勢を指導するものです。医師から見れば、疾患、痛みを起こさない身体の使い方、ということですね。整形外科医は解剖学、運動器の構造がわかっているので、その指導の応用がしやすいと思います。

今年2008年8月19日 ブリティッシュ・メディカル・ジャーナルというイギリスの世界的な医学雑誌に素晴らしい研究結果が報告されました。慢性の、あるいは繰り返す腰痛に対して、アレクサンダーテクニークのレッスンが長期にわたって有効であることが証明されたのです。

実は、今まで、慢性の腰痛に長期間有効であると証明された治療法はほとんどありませんでした。腰を強化し安定させる運動指導が、ある程度効果があるらしいという程度でした。

今回の研究には約600人の慢性腰痛の患者さんが参加しました。

一般医による普通の治療だけ、マッサージ、6回のアレクサンダーテクニークレッスン(以下AT),24回のATの4つのグループに分け、さらにそれぞれを医師と看護婦の指導する体操(以下体操)をするグループと、体操なしのグループの2つに分けました。8グループの比較が行われました。

マッサージは週1回で6週間、6回のATは1ヶ月間、24回のATは7ヶ月間にわたって行われました。

治療開始前、治療開始後3ヶ月、治療開始後1年の、3つの時点で、 痛みによってできない活動の数、 4週間で痛みのある日数など、 が主に調べられました。 無作為比較試験という信頼できる研究方法が使われました。

要するに 慢性の腰痛に対して どの治療が、どれほど効果的なのか? 継続することで長期に有効なのはどれか? が調べられました。

主な結果は 治療開始後3ヶ月では、 一般医の普通の治療だけでは、ほとんど改善はありませんでした。 それに対して、マッサージ、6回のAT、24回のAT、体操全てが効果的でした。 この時点では、マッサージと6回のATは治療がすでに終わっています。24回のATは継続中です。 体操は、しないより、した方が効果がありました。 治療の効果は、24回のATが最も大きくて、以下、マッサージ、6回のATの順でした。

治療開始1年では、全ての治療が終了しています。 24回のAT指導は3ヶ月後より1年後、さらに状態の改善がみられました。 痛みでできない活動の数が10.7から4.6と半分に減り、4週間で痛みのある日数も28日から3日に減りました。 6回のAT指導でも同様の効果が1年後でも維持されました。痛みでできない活動の数は11から6.7と6割になり、痛みのある日数は28日から11日になりました。 体操は活動の数は改善しましたが、痛みの日数は3ヶ月の時(28日が11日に減少)と比べて効果は頭打ちで、それ以上減りませんでした。 マッサージは活動の数は改善しませんでしたが、痛みの日数は28日から14日に減りました。

24回のAT指導と体操の併用は、24回のAT指導単独と差はありませんでした。 一方、6回のAT指導でも、体操を併用すると、活動の数については24回のAT指導の72%の効果がありました。痛みの日数は体操併用でも、6回のAT指導単独(28日が10日に減少)以上には改善しませんでした。

結論として、24回のAT指導、6回のAT指導と体操の併用は慢性腰痛に長期的効果があることがわかりました。 マッサージは短期的効果はありますが、長期的効果はありませんでした。

私は整形外科は,いわば物理学であって、こわさなければ、また、こわすような体の使い方をしなければ体の痛みは起こらないと確信しています。

今、整形外科の世界では、運動療法(体操)の重要さが強調されています。しかしながら、まだ身体の使い方の指導については不十分であり、残念ながら、アレクサンダーテクニークは整形外科医にはほとんど知られていません。

この研究で体操の効果が3ヶ月で頭打ちだったのは、運動療法(体操)をしていても、体をこわせば、こわすような使い方をすれば痛みは再発するということだと思います。

一方、アレクサンダーテクニークを半年以上継続すれば、体操なしでも効果が十分あるというのは、体の使い方の大切さを示していると同時に、正しく体を使えば自然に体の筋肉を使って、体操を続けているのと同じような効果があるのではないかと推測します。つまり、よい姿勢をしていると、自然に腹筋や背筋を使うことになるからだと思います。

マッサージは短期的な効果はありますが、長期では効果は乏しいようです。 医師の処方する体操も効果があることが再確認されたのですが、それ以上に、アレクサンダーテクニークのレッスンを受けることで体の正しい使い方を知れば、従来の治療では改善しなかった慢性腰痛が、長期間にわたって大きく改善することが、今回の研究で証明されました。慢性腰痛によってできなかった活動が、3種類、再び、できるようになるのです。

私は、アレクサンダーテクニークが物理の法則と人間の心理学の両者にきちんと立脚していることから、この結果は当然のことだと理解しています。

なかなか治らない腰痛に悩んだ時、まずは整形外科で診察を受けてください。もし整形外科で重大な病気でないと診断され、どのように身体を使ったらよいかの説明が不十分だと感じたら、一時的、短期的な効果しかないマッサージを受けるのではなく、長期に効果が証明されたアレクサンダーテクニークのレッスンを受けて、正しい身体の使い方を身につけることが、より賢明であると私は思います。

<加藤良一先生のウェブサイト>
http://clinic.katohseikei.com