緊張して体が固まってしまい、いつも失敗するのはなぜですか?

緊張して体が固まってしまい、いつも失敗するのはなぜですか?】

 

趣味でフルートを長年学んでいらっしゃる大人の生徒さん。今日のご相談は次の2点でした。

 

・ いつもレッスンを受けているフルートの先生の前だと緊張してしまって、練習通りに吹けない。
・ 曲のフレーズ感を出そうと一生懸命吹くのだが、うまくいかない。

 

この曲が柔らかく素敵な旋律なので、大好きなのだそうです。早速吹いていただきました。
すると、急にカラダに硬さが生まれて、見るからに必死な感じになってしまい、
口が震え、音はかすれ、低音は全く鳴らず、ワンフレーズ息がもちませんでした。

 

BodyChanceのレッスンでは、「動き」を生み出す「思考」に注目します。

「いつも緊張してしまう」とおっしゃるのですが、
実際には「緊張する」のではなく、ご本人自身で「身体を固めて動きにくくしている」 ことが多いのですよね。 

では、「緊張してしまう」 を、ひも解いてみようと思います。
なぜ身体を固めてしまうのかというと、理由があります。
「ちゃんと吹きたい」「ちゃんと演奏したい」と思うからです。

「ちゃんと」という『考え』が、「身を固めて頑張る」という『動き』とガッチリ組み合わさっているのだと思います。

 

嶋村「ちゃんと演奏するために、何をするんですか?」 と伺うと、しばらく考えてから
生徒さん「フレーズをちゃんと表現して、いい音で演奏するようにします」 というお答え。

 

嶋村「フレーズを表現するってどんなことですか?」 禅問答みたいでごめんなさい。。。
生徒さん「音楽の流れの行先を考えたり、ここまでは一息で吹ききる、などです」

 

嶋村「では、このメロディーをどんな流れで吹きたいのか、鼻歌でもいいので歌ってみてください」
すると、思い入れのあるすてきなフレーズで歌ってくださいました。大人の音楽性です。

 

嶋村「フレーズ感、のようなもの、どう表現したいかは、もうしっかりイメージできていますね」
生徒さん「え?そうですか?いつもフレーズが全然ないと。子供じゃないんだから歌いましょうって言われます。」
嶋村「だから、フレーズを意識して演奏しなくちゃいけないと考えながら吹いていたんですか?」
生徒さん「はい。フレーズ感を出さなくちゃいけないから」

 

ここで少し別のことを。小さな音で最初の音のロングトーンをしばらく吹いてもらいました。
「ちゃんとやらなくちゃ」の焦りからクールダウンしていただくことと、
アンブシュア(音を出すための息穴)を意識的に作ることを、改めて思い出してもらうためにです。

 

嶋村「では、フレーズのことはどうでもいいので、最初から最後まで小さな優しい音で、この一節を吹いてみてください」
すると、全ての音が美しく安定して鳴り、そして一息で吹ききることもできました。
そして、充分フレーズ感や音楽性は出ています。

ご本人はびっくりしています。
生徒さん「何もしないでそうっと吹いた方がうまくいきます!何もしない方がいいってことなんですか?」

嶋村「何もしていないようで、するべきことはやってらっしゃいましたよ。”ちゃんと”(笑)」

 

確認その1~フルートの音がでる条件は?

フルートの音が出るための最低限必要な条件は、これです。

① 息を吐く
息圧を生む腹筋群などの仕事ですね。これは、長年練習してきた人にはたいてい充分備わっています。

②息の出口を面倒見る

適切なアンブシュアを作り、適切な息のスピードがうまれ、息が適切な角度で楽器にあたる。おもに唇周辺の仕事。

 

確認その2~アンブシュアなどの身体の使い方の問題と、表現力があるかないかの問題を混同していないか?

この生徒さんは、表現することや間違えないで正しく吹くことに気をとられすぎていました。
①は使いすぎ、②はほとんど意識に入っていない様子でした。

その結果、唇がきれいな息穴を作れていないのに、たくさん息を使うことでなんとかしようと無意識に頑張っていたのですね。

 

これはフレーズ感を表現するなどという音楽性の問題ではありません。音を作り出す技術的な問題です。

ですから、この生徒さんの音楽性がまるで無いかのように評価される根拠はなんらありません。
しかし、技術的には何も考えずにやればできていたことを、
別のことに必死になりすぎたためにすっかり忘れてしまうという現象が起きていました。

 

確認その3~その「思考」はやりたい「動き」に役だっていますか?

人が動きを選択する時に『思考』が働きます。
「ちゃんとやらなくては」 「フレーズを考えて演奏しなくては」 という思考から
「とにかく息を使っていっしょうけんめいやる」 という動きだけが空回りしていたようです。
逆に、「小さな音で優しく吹く」という思考からは、息の無駄のない美しい音が生まれました。
その直前に試した小さい音のロングトーンが唇周辺の動きを思い出すきっかけになったのですね。

「息が続かないことと音色を作ることの関係性」であるはずだった問題が
「フレーズがうまくつながらない」という、あいまいな評価にとって代わり、
そのせいで大好きな曲が「難しくて自分には上手く吹けない曲」になってしまっていました。
これが事実だと思います。

 

確認その4~では、レッスンでの先生の役割は?

レッスンで指導者に必要なスキルは色々ありますが、
やはり、うまくいっていない原因の見立てと、具体的な改善プランの提案が大切だと思います。

とくに身体の使い方を含めた技術的な導きに関しては、お互いが理解できる言葉を選ぶことや、
生徒さん自身に違いを実感できる体験をしてもらうことなどでようやく伝わるのだと思います。

既に熟達している人には「フレーズ感」「表現」などにいきなりとっかかっても大丈夫なことがありますが、
技術を安定的に使える「身体の使い方」の理解がまだ充分でない生徒さんには、丁寧に対応したいものです。

 

確認その5~小さな音だけで曲は演奏できないけれど、どうすればいいの?

もちろん、さきほどのような小さい音量ではダイナミクスの変化をつける時に困りますね。
ですから、息圧が増えた時の音のコントロール、つまり息の出口の作り方を明確にしたいのです。
息圧があがった時に、唇周辺の筋肉やアゴの様子をよく観察して、余分な動きをやめていったり、
足りない動きを加えていったりということを探究するとわかってきます。

これも、一見「表現」と思われるものにも必ず「技術」を理解すること、
自分のカラダを使いこなすことが関係している例ですね。

以上のような情報をお伝えし、実際にいろんな吹き方を試してみたりと、実験的なレッスンをしました。
生徒さん「家に帰って、もっといろいろ試してみたいです!」
やる気が出てきた嬉しいお顔を見ると、私も嬉しいです。

 

アレクサンダー・テクニークは『思考』と『動き』のワークです。

BodyChanceメソッドでは、さらに生徒さんの望みに寄り添って、実現へのお手伝いをするように心がけています。
人間のカラダの構造や動きの事実を知り、思考が動きに及ぼす影響に目を向け、
新しいやり方を安心して試せる場を作ることが大切だと思っています。

 

■ BODY CHANCEでは、その人の望みを実現するためのレッスンを行っています。

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