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日本のMedical Tribune紙にATが腰痛への効果を示した調査結果が掲載

2008年109日付けの日本の医療系新聞Medical Tribune紙に、British Medical Journal 「アレクサンダー・テクニークは慢性的な腰痛に長期的な効果がある」とする調査結果が掲載されました。 日本語でわかりやすく解説されています。以下に記事全文を示します。

 

アレキサンダーテクニークは腰痛を長期に抑制

〔英ブリストル〕ブリストル大学のDebbie Sharp教授とサウサンプトン大学(サウサンプトン)のPaul Little教授らは,アレキサンダーテクニーク(AT)の腰痛への適応に関する初めての大規模な研究を行い,「ATには慢性あるいは再発性の腰痛患者にとって長期的便益があるという有力なエビデンスが得られた」とBMJ2008; 337: a884)に発表した。

腰痛による欠勤は年間500万日

 腰痛は一般医(GP)が頻繁に診察する疾患の1つであり,機能やQOLに与える影響も大きい。職場などの欠勤理由としても珍しいものではなく,腰痛による英国全体の年間欠勤日数は最大で500万日と推定され,英国保健サービス(NHS)や英国経済に与える影響は50億ポンドにも及ぶ。

 ATは,姿勢を調節する機能を高めることを目的とし,姿勢の自動調節やそれに伴う筋活動を変化させるための過程を意図的に行う手法であるが,この訓練を受けると,個々の患者に合わせた方法で腰痛が軽減でき,さらに同法を通して姿勢や神経と筋の協調に悪影響をもたらす悪い習慣を認識,理解,予防するうえで役立つ自己管理能力が身に付く。ATはオーストラリアの俳優Frederick Matthias Alexander18691955)によって開発されたもので,多くの俳優やミュージシャンが訓練を受けている。これまでATの長期的な有効性を示すエビデンスは得られていなかった。

 Little教授らは患者579例を対象とする多施設臨床試験を行い,ATの訓練24回(144例),同訓練6回(144例),従来のマッサージ6回(147例),通常のGPによる治療6回(対照群,144例)を比較した。  さらに,各群の半数はGPから有酸素運動(2日に1回30分の早足やそれに相当する運動)を指示されており,その後は看護師による行動カウンセリングを受けた。

 その結果,ATのマンツーマンレッスンを24回受けた群では機能とQOLに大きな改善が認められ,腰痛の日数も減少した。試験開始から1年後,腰痛による活動制限は平均42%も減少しており,痛みのある日数も3日にとどまったが,対照群では月に21日に達した。

効果は1年後も持続

 マッサージにも3か月以上の効果があったが,機能に対する影響は1年後には認められなかった。一方,ATの効果は維持されていたことから,AT講習を受ける長期的便益は,注意や接触のプラセボ効果によるものではなく,同法を能動的に習得することによるものと推測された。

 GPによる運動の指示は単独でも有効であったが,活動性に対する効果は3か月と12か月の両方において中等度であった。しかし,6回のAT講習後にGPによって運動を指示された場合では,1年後の便益はAT24回講習したときの効果の約72%に相当した。

 Sharp教授は「ほんのわずかな介入でも慢性腰痛患者では長期的に大きな助けとなることが示された。筋肉強化運動と安定化運動の指導を受けることでもたらされる便益はおそらく中等度であるが,慢性あるいは再発性の痛みや運動指導が行われていない患者には,より長期にわたって便益があることが示された」と述べている。

 ATの実践と理論は,筋肉の痙攣を抑え,姿勢筋を伸展し,筋の協調と可塑性を改善すること,脊椎への圧迫を減らすことにより腰痛を大きく軽減することができるという仮説を支持するものである。

 今回の試験は英国医学研究評議会とNHS研究開発ファンドの援助を受けた。

[Medical Tribune 2008109日(VOL.41 NO.41 p.10]

   

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